木戸邸(京都府)

孫娘2人のお気に入りの洗面

木戸さん
給食会社経営。息子さんご夫婦(35歳&33歳)とお孫さん2人(5歳&1歳)、トイプードルのベティーちゃん(9歳)の5人と1匹家族。元々持っていた土地に新築を建て、2011年12月竣工した。今回設計をお願いした建築家の古前極さんとは数十年来の友人。

取材にお伺いした日はちょうどお盆。娘さん2人もご実家に帰ってこられ、集まった家族6人は全員女性!(笑) 甲子園を応援するにぎやかな笑い声と外からセミの鳴き声が聞こえてくるのが木戸邸だ。
「外観は西日が入ってこないよう大きな窓は作りませんでしたが、『明るくて風が通り抜ける家』をコンセプトに設計しました。ケヤキの木に思い出があるとのことでしたので切らずに残し、車のフェンスも以前から使っていたものを利用しました」と話すのは、今回設計を手がけられた古前先生。

 ちょうど東にあたる場所に中庭を作ることで朝の光がリビングに入ってくる。
「シンボルツリーのエゴノキは白い小さな花が春に咲いて、とっても可愛いんですよ。実をつつきに鳥がやってくるのを見るのも楽しみです」と木戸さん。

どこにいても家族の声が聞こえる

 子ども部屋の障子は両面張りで温かみがあり、すべて閉じても上部には空間がある。
「私が設計する家では“抜け感”というのをとても大切にしています。小さなお子さんもいるので、どこにいても家族の声が聞こえるオープンな空間にし、みんなで見守れるというところがポイントです。また、どこにお金をかけてどこを抜くのかという別の意味での“抜け感”も大事(笑)。例えば壁はクロス張りではなく、味があって調湿機能もある珪藻土にしてこだわるかわりに、1階のウォールナットフローリング(床材)はムクにするけれども2階は少し安価な節材にするなどお客さまの希望コストに納めるための工夫をします」と古前先生
 
 

孫娘2人のお気に入り洗面

 
そんな木戸邸の2階には、可愛らしい洗面スペースがある。nendoの佐藤オオキ氏がデザインを手がけた『ROLL』シリーズの洗面ボウルと造作で作った木目の洗面用家具がほっこりとした印象を与える。
「スペースがあまり広くないので、四角より丸い洗面ボウルがいいなと思っていました。『ROLL』は紙をくるりと巻いたような丸みのあるデザインが気に入りました。大きすぎないサイズもちょうど良いですね。水栓は洗面ボウルに合わせて古前さんからいくつかご提案いただいたのですが、ボディーとスパウトが垂直なデザインは嫌だったので、グースネックの曲線が美しいハンスグローエを選びました。首が左右に振れるので使い勝手が良いですし、1階にもうひとつ洗面があるのですが、孫娘たちはこっちが気に入っているようで、こちらばかり使っています(笑)」と楽しそうにお話してくださった木戸さんだった。
 
 

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